お肌のゴールデンタイムをエビデンスで理解してみた  スクアレン トコトリエノール

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【論文つまみ食い】お肌のゴールデンタイムってホント?

お肌のゴールデンタイムについて

  こんにちは、sVEASの研究担当、HIROです。

 今回はとても身近な話題に迫ってみたいと思います。美容に関心がある方の多くがご存じの「お肌のゴールデンタイム」。これってホントなの?エビデンスは?という話はよく聞かれる内容です。

夜10時〜深夜2時に肌の再生が活発になる時間=ゴールデンタイム、として使われていて、キャッチフレーズとしてはとても魅力的ですよね。実際にこれってエビデンスとしてどうなんでしょう。おそらく以下の論文のような内容をベースに組み立てられた仮説だと考えられます。

  • 皮膚にも体内時計がある(Suら、Int J Mol Sci 2024)
  • ノンレム睡眠(深い睡眠)時に成長ホルモンGHの分泌ピークが認められた(Takahashiら、J Clin Invest 1968)
  • コラーゲン合成には日内変動ある(Wangら、J Cosmet Dermatol 2026)

 これらは 24時間周期で変動する傾向があるという科学的エビデンスではありますが、「夜〇時〜〇時だけ絶対的に最も強い」といった結論ではなく、生理学的プロセスは時間依存的に変動する(例:夜間は修復系が比較的活発)という理解が正確ではないかと私は考えます。

睡眠医学の最先端研究たちの考え方

 睡眠に関するエビデンスという事でしたらココが世界最先端でしょう。米国スタンフォード大学医学部。 同大の睡眠・生体リズム研究所(https://med.stanford.edu/cscs.html?utm_source=chatgpt.com)で は、睡眠と体内リズムの基礎から行動レベルまで幅広い研究をしており、体内時計が健康全般に深く関わると位置づけています。ただし、「22時〜2時だけが肌の修復ゴールデンタイムである」といったような具体的な時間帯を明確に支持する声明を出しているといったような直接的な報告は確認できません。

 スタンフォード式睡眠法でも有名な西野教授は、「睡眠の質が健康に極めて重要であり、特に最初のノンレム睡眠の90分が生理的に重要」とも述べておられます。

結論として

 お肌のゴールデンタイムに関連するエビデンスは一部の角度から研究したものは存在しますが、「特定の時間帯だけを指したものではない」という事が現段階の考え方のようです。ただし、規則正しい生活習慣を続けることや質の良い睡眠時間を確保することは、お肌の修復や再生において有意義なことであることだけは確かだろうと思います。

その他

 そこで「スクアレン」と「トコトリエノール」に関する情報を付け加えるとしたら?

 はい、もちろん無関係ではないと考えます。つい最近の総説論文にて「スクアレンとトコトリエノールは皮膚の健康に関連して修復やコラーゲン合成を促進する」ということが言及されました(Morganら、Skin Health Dis. 2024)。質の良い睡眠を確保したうえでスクアレンやトコトリエノールをお肌に補給できれば、より効率的なメンテナンスができる可能性は十分に有ると思います。潤い成分スクアレンが加齢とともに体内で減少していくことや、お肌を酸化ストレスから守ってくれるトコトリエノールの役割についても論文の中で詳しく述べられています。これらの栄養素は元気なお肌の大切なパートナーなんですね。

この記事の著者

HIRO

1960年代生まれ。国内大学にて博士の学位を取得後1998年に渡米。専門は栄養学・免疫学・放射線学など。南カリフォルニア大学医学部、ベイラー医科大学にて研鑽を積んだ。帰国後は多岐に渡る研究を続けるかたわら、大学教育にも携わってきた。国内外の学会にて複数の受賞歴有り。2014年には米国航空宇宙局(NASA)の客員研究員を務め、現地ヒューストンのジョンソン・スペースセンターにて宇宙食の研究開発にも携わった。2017年、友人の誘いで医薬品・化粧品・食品を製造する会社の研究者兼経営者となり現在に至る。

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